hase
キクタスがお手伝いさせていただいてきたすべての番組の累計が1億ダウンロードを突破しました。
1億ダウンロード突破を記念して、「人生を変える」ポッドキャストの聴き方・使い方をテーマに、HASEさんにお話を伺いました。

HASEさん

プロフィール

群馬県・太田市にある瑞岩寺の住職。社会福祉法人毛里田睦会理事長(札幌市麻生むつみ保育園、横浜市北寺尾むつみ保育園、横浜市北寺尾第二むつみ保育園、毛里田児童クラブを運営)。毛里田保育園園長。

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490年続くお寺の住職がポッドキャストを始めた理由

早川:今回は『HASEの金曜は聴きこみ寺』、パーソナリティーのHASEさんにお話を伺います。HASEさん、よろしくお願いします。

長谷川:よろしくお願いします。

早川:寺というキーワードで、「おや、ひょっとして」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。HASEさん、改めてなんですけど、お仕事はどんなことをされているんですか?

長谷川:僕は、瑞岩寺というお寺の住職であり、また、社会福祉法人毛里田睦会の理事長であり、保育園や老人ホームの運営もさせていただいています。

早川:その瑞岩寺っていうお寺は、どこにあるんですか。

長谷川:群馬県の太田市ですね。490年ぐらいかな、室町後期から続いています。

長谷川:そうすると、何代目になるんですか。

長谷川:僕は、27代目です。昔のお坊さんは結婚してないので、大体、30年で代替わりということですね。

早川:そんなHASEさんがポッドキャストを配信されているということで。この『HASEの金曜は聴きこみ寺』と、その前身の番組入れると、もう相当、多分200回ぐらい配信されていますよね。この番組がどんな内容なのか、まだ聴いたことない方もいらっしゃると思うので、改めて教えていただけますか?

長谷川:僕はお坊さんなので、人生相談や悩み相談ということを、実際にお寺でしています。仏教では、生老病死、四苦八苦といいますけども、悩んだり困ったり苦しんだりしてるかたがたの相談を受けてるんですね。それをもっと広く、全国規模、世界規模でやりたいと思ったんですね。僕の思いは布教です。困っている方のサポートをすることによって、僕自身、大変勉強になっています。

早川:お寺も最近は大変注目を浴びていますが、一方で、「まだまだハードルが高いな」と思うことも、正直、僕はあるんですね。そんな中でも、こうした柔らかい番組をされていて、内容を考えていろいろ頭を悩ませたりすることも、正直あると思うんですけど。面白いなと思ったのが、HASEさんが、いろんな著名な方に、しかもかなりすごい方に、インタビュアーの僕が嫉妬するぐらいの人に出てもらっていますよね。

長谷川:会っていますよね。

早川:これは、すごいですよね、鳥越俊太郎さんとか、川島隆太さんとか。この辺は、どういうコンセプトでやっているのかなって、ちょっと聞きたいんですけど。

長谷川:僕は、自分が一番楽しんでいるんです。多分、早川くんも、そうだと思うんですけど。この番組を利用して、いろんな方にインタビューできるっていうのは、とてもありがたいですね。

早川:やっぱり、そこに深い意味があると思うんですよ。当たり前ですけど、自分だけのためにやっていたら、そんなにたくさんの人に聴かれないでしょう。その辺、リスナーの方からのフィードバックを受けたり、HASEさんなりに、会いたい人に会ったり、布教活動をしながら、それこそ、人の心を救っているっていうふうに僕は感じているんですけど。その辺は、どう考えますか。

長谷川:僕は、宗教を超えて、いろんな方にお会いしているんですね。底辺に流れているのは「いのち」ということなんです。そういったことに関係する方々に、インタビューしています。経済や政界といった所には、あえて行きません。お坊さんとして、命に関わることで悩んだり苦しんだりするときに、「こういう考え方で乗り越えてきた」みたいなお話を、たくさんの方にお聞きしています。僕も勉強になるし、リスナーの方にも、とてもいいだろうという思いで、やっています。

早川:いい意味ですが、HASEさん自身が、本気で聞いているじゃないですか。

長谷川:本気ですよ。本気でないと伝わらない。

早川:やっぱり、本気で聞いていると、本気で答えてくれるから、そこから出たエッセンスが刺さるというか、いい言葉が出てきますよね。

長谷川:そうですね。皆さん、喜んで出てくださっていますね。

数あるゲストの中でも南嶺老師の回は必聴

早川:今までに100回以上やってきて、いろんな方が出てくださったと思うんですけど、その中で、「これから聞こう」という人におすすめの回はありますか? HASEさんの中で、「この方のインタビューの回をまず聞いてもらいたい」とか、「こういう気付きがあるよ」っていうのがあれば。せっかくだから、皆さんにお知らせいただきたいんですけど。

長谷川:選べないですかね。皆さん、素晴らしいです。強いて言うなら、6月の円覚寺管長の横田南嶺老師は、聞いたほうがいいと思います。普通、僕なんか会えない人ですから。

早川:そうなんですか。

長谷川:一つの宗派の大本山の管長様ですから。

早川:すみません、全然知らなくて。

長谷川:はい。それも、宗派が違うので。

早川:それ、普通じゃ、あり得ないことなんですね。

長谷川:あり得ないです。

早川:そこで、なんか一つ、ヒントはありますか。

長谷川:僕たち、お坊さんは、意外と本来の意味での「出家」ではないんですよ。うちも、先祖が僧侶でそれを代々継いでいるわけですよね。南嶺老師は生まれることと死ぬことに、小学3年生で悩まれたそうです。小学校3年生ですよ!

早川:それはすごいですね。

長谷川:ちょっとあり得ないでしょう。そこで悩んで苦しんで、仏の道に来られたわけですね。そこで、公案っていう問答と、座禅によって救われた。そういうお話です。

「子どもたちに自分の背中を見せたい」という願いをこめて

早川:なるほど、それは聴いてみたいですね。そもそも、HASEさんが番組を始めようと思った理由を、まずシンプルに聞きたいんですけど。

長谷川:先ほど言いましたように、僕のお寺で講演会をやるときには、最大300人とか400人で集めて、お話をしているんですね。でも、こういったpodcastという便利な媒体が出てきたことによって、数万人、数十万人の方に聞いていただける。これは、すごいことですよ! つまり、僕がラジオ番組持っているのと同じことなので、私が伝えたいことをそのまま伝えることが可能です。それが伝えられるっていうのは、とても素晴らしい世の中になったなと思って、これを使わない手はないなっていうふうに、最初に思いました。
 もう一つ、これは、あんまり人には言わないことなんですけど、僕はバツイチで、実際、自分の子どもとは一緒にいないわけですけど、本当は、日々、子どもたちに自分の背中を見せたいんですよ。でも、それができないので、子どもたちに聞いてもらったらいいなって思って、やっているとこもあります。それと、これが、あと数年残るっていうことですよね?

早川:いや、もっと残りますよ、この世がある限り。

長谷川:この世がある限り残るっていうことは、例えば、僕が亡くなった後も、これは残るっていうことですよね?

早川:はい。

長谷川:僧侶が亡くなることを私たちは「遷化(せんげ)」といいます。意味は亡くなったあともあの世からみなさまを導くそんな存在になりますよ。ということ。これが正にこの番組なのです。これは、素晴らしいですね。

早川:ちょっとジーンときましたけれど、でも、確かにそうですね。

長谷川:はい。

徳のシャワーを時間、場所をこえて届ける

早川:実際、やってみて、いい意味で意外だったことでもいいですし、よかったことっていうのは、何か挙げてもらえますか? いろいろあると思うんですけど。

長谷川:よかったことは、本を読んだり、CDを聴いたりしても、分からないことってありますよね。実際にお会いして、その方にいただく気というか、徳というのがあって、この数年で、自分で言うのも変なんですけど、すごく成長した気がするんですね。気って、高いところから低いところしか流れないじゃないですか、川のように滝のように。そういった方にシャワーを浴びている感じが、僕はするんですよ。

早川:はい、すごく分かりやすいですね。

長谷川:だから、最近テレビに呼ばれたりするんじゃないかなって思って。

早川:そうですよね。直接かは分かんないですけども、番組をやっている途中で、テレビにも出てっていうことで、やっぱり、何か流れが来ているというのを僕も感じます。やっぱりステージが変わった感じはしますよね。

長谷川:付き合っているかたがたが変わってきたっていうか、ありがたいことに声を掛けられるようになりました。僕も、「声掛けられたら断らない」っていうことを信条にしているので、全部「イエス」ってトライするんです。全てが修行だと思っているので。

早川:そんな中で、多分、その波動というか波長が、皆さんにも伝わっていると思います。実際にリアル出会っているのと近い形での対話、肉声を世の中に届けているってことですよね。

ポッドキャストを始めるときに大事な2つのこと

長谷川:そうですね。皆さん、お忙しいから、実際会ったり、講演会に行ったりするって、もう地理的にも時間的にも難しいじゃないですか。それを、いつでもどこでも誰でも聞けるっていうのは、すごいですね。

早川:そうですね。もう一つ聞きたいのが、今ポッドキャストを配信したいっていう人が結構増えてきています。そこで、HASEさんが考える、ポッドキャストに向いてそうな人を教えていただけますか。タイプでも、職種でもいいんですけど、何かキーワードあればいただきたいのですけど。

長谷川:一つは、一回始めたら、やめないってことでしょうね。やめてしまう番組が結構多いと思うんですけど、これは、すごくもったいないと思うんですね。一回始めたら、やめない、あとは、分野ごとに特殊性をもって、あるクオリティーを超えてることですよね。じゃないと、多分、聴いているかたがたが飽きてしまうと思うんですよね。

早川:そして、ネタも尽きそうですよね、あるクオリティーを超えてないと。

長谷川:そうだよね。

早川:仮に、仕組み的にずっと続くようでも、やっぱり本人が続かないですよね、聴いている方もそうですし。

長谷川:はい。

正師を求めることで教えが毛穴から染みこんでいく

早川:最後になるんですけど、今後、「こんなことを番組として、トライしてみたい」とか、抽象的なことでもいいですけど、何かありますか。トライじゃなくてもいいですよ。このまま突っ走って、どんどん世界に発信して、いろんな人に会っていきたい、でもいいですし。

長谷川:そうですね、あんまり考えたことなかったな。とにかく、いろんな考え方、いろんな生き方、素晴らしい人生を送っているかたがたに、お話を聞きたいというのは、僕自身がありますね。お坊さんで大事なことに、正師を求めるっていうことがあるんですよ。

早川:しょうし?

長谷川:正師。正しい師ですね。よく皆さんが、メンターとかいわれる。僕らが正師というんですが、それは、道元禅師さんも、とても大事にしているんですね。正師というのは、自分より能力のある人です。そういったかたがたにお会いすることによって、教えが、毛穴から入るっていわれるんですよ。

早川:なるほど。

長谷川:つまり、そういった方を、僕は。お坊さんのことを、雲水っていうじゃないですか。

早川:はい。

長谷川:これ、「雲のごとく水のごとく」ってことなんですね。雲って、どんどん形、変えていくでしょう。水も、四角い器に入れば四角、丸い器に入れば丸になります。だから、その師匠に合わせていくってことなんですよ。そういった方に、どんどんどんどん会うことによって、先ほども言いましたけど、僕が成長するんですね。それを、皆さんに聞いていただきたいっていうのは、あります。

早川:僕も、また、聞いてみたいと思います。ということで、きょうは、『HASEの金曜は聴きこみ寺』、パーソナリティーのHASEさんに、お話伺いました。HASEさん、ありがとうございました。

長谷川:はい、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(合掌)

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